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動産

ここで言う「動産」とは土地や建物以外の物であり、自動車やバイク以外の物とお考え下さい。

厳密に言えば自動車やバイクも「動産」ではあるのですが、車等は所定の手続きを要するなど他の動産とは相続の手続き上、取扱いが異なりますのでここでは分けて記載しています。

車等の相続手続きについては「自動車やバイク」のページをご覧ください。

被相続人の持ち物

亡くなられた方(被相続人)が所有していた時計や財布、自転車や家電などあらゆる動産も相続財産となります。

これらの財産は遺産分割の対象となりますので、相続人間で誰が何を譲り受けるのか取り決めをする形となります。

一般的に「動産」自体に大きな価値があるケースは少なく、動産の相続割合で揉めるということは少ないと言えます。

しかし、被相続人が高価な時計を所有していたり、趣味で集めていた骨董品に高価な物が含まれていたりすると厄介なケースも出てきます。

代償分割という考え方

例えば、相続割合が同じ相続人が二人いたとします(A、B)。

被相続人が高価な腕時計を所有しており、遺言を残すことなく亡くなったとします。

Aは故人の形見として時計を保存しておきたい、Bはオークションなどで売って現金化し、自分の取り分(相続分)のお金が欲しいと考えているとします。

この場合、現金化した場合にBが受け取る金額をAがBに支払う事でA、B両者の希望を叶えることが出来ます。

この形の遺産分割のことを「代償分割」と言います。

ここまで形式だって解説しなくとも、普通に考えれば分かるような話ではありますが、こうした形の遺産分割も制度として認められている点をご紹介したいと思い記載しました。

上記例の場合で他にも考えうる分割の方法として「換価分割」があります。

これはBの発想そのものですが動産を現金化し、それを相続割合で分けるという方法です。

これも遺産分割の方法として認められています。

ローンが残っている動産はどうなる?

上記例のように被相続人が高価な時計をクレジットカードで分割払いしていたとします。

この場合、残債務を一括して返済するなどすればその動産(時計)は相続人が取得することが出来ます。

しかし、相続放棄をする場合はその動産を債権者側(クレジットカード会社等)に返却する必要があります。

債権者は返却された動産そのものの価値と残債務を相殺し、余剰があれば余剰分を相続人に返却します。

とは言え、余剰が生じるようなケースは殆どないため返却して終わりというケースも多くあります。

また、相続放棄のことを債権者側に伝え所定の書類を提出した後、返却までは求められないケースなども実際にはあります。

この辺の取扱いはローン会社(クレジットカード会社等)によって様々ですので、相続が開始した時点で指示を仰ぐ方がベストと言えます。

後々のトラブルを避けるためにも被相続人が使用していたクレジットカードや各種ローンなどの明細を確認し、債務が残っているような動産(買い物)が無いかどうかを必ず確認するようにしましょう。